当院は平成15年5月阪急三国、駅ビル"ヴュール阪急三国"3階クリニックフロアーに開院しました。

私が開業を決意したのは開院5年前頃でした。当初どのようなクリニックを作ろうかと色々と試行錯誤しましたが、最終的な結論はアメリカの一般開業形態であるファミリークリニックでした。

 

赤ちゃんから成人までご家族全員へきっちりとしたプライマリケア(自分の専門分野に限らず、

一人の患者様に生じた身体的な問題に全般的に正確に対処し、必要時に専門病院へ紹介する)を提供できる

ファミリークリニックをコンセプトとしました。

 

私は消化器内科の専門医として大学病院(大阪市立大学)、大阪市立住吉市民病院(内科医長)、

育和会記念病院(消化器内科部長)で勤務をしておりましたが、このコンセプトを実行するためには、まず自分の再教育、研修の必要性があり、これにかなりの労力と時間を費やしました。

また、これからも医学は進歩しますので怠ることなく、最新で正確な知識の習得のため各種学会、研修会への積極的な参加が必要です。

 

もちろんプライマリーケアのみでなく消化器疾患に対しては、いままでの経験(胃カメラ、大腸内視鏡検査とも経験検査件数各1万以上)を生かして専門的な検査治療をしていきたいと考えております。

 

最近各領域で(いままで当然と思われていた)各疾患への考え方、治療法対処法は変化しつつあります。

皆様にとって非常に身近でわかりやすい例では、小児の下痢時の食事の食べさせ方(食事内容を制限しない)や 抗生物質の適正使用(耐性菌の増加を防ぐため、ウイルス感染と細菌感染をできるだけ正確に区別し、抗生剤の効かないウイルス感染に対して抗生剤を処方しない)母乳栄養に関すること(状況が許す限り母乳栄養の継続が望まれますが、そのための正確な知識手技の情報提供)小児脳科学の進歩(人間らしさを発揮する前頭葉の発育を十分考慮した育児支援、たとえば簡単な例では、授乳時に赤ちゃんの目をみてあげる、2歳まではテレビなどのメディアに暴露させないなど)などがあります。

これらは最近では当然の知識ですが(少し前までは必ずしも常識ではなかった事項も多いですが)、

家庭医はお子様が受診された際、診察投薬のみでなく、これらの関連事項をご両親にわかりやすく説明し

療養や育児を支援する任務があります。

 

成人の場合、元気な老後をいかにしてむかえるかという問題が重要です。

いくら若いとき楽しい人生を歩んでも、初老期に脳梗塞で寝たきりになったり、早くして治療不可能な悪性疾患で手遅れになっては生活の質は極めて低下します。

人間は生物ですので寿命はありますが、いかにいい形で生きていき、よい最後をむかえられるかが重要です。

生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病など)の発症予防や進展予防や悪性疾患の早期発見が重要です

(これらの疾患に対する考え方や治療方針も、ここ5年で大きな変化があります(別項目参照)。また生活習慣病の発症予防は小児期からはじまっています)。

 

当院はご家族皆様の健康の維持と疾患の治療に全力をあげて、 信頼されるクリニックでありたいと常に願って努力してまいります。

 院長 緒林 誠